最新鋭のAI技術が軍事利用される中、新たに開発されたロボットスナイパーが戦場の様相を一変させると専門家から警戒の声が上がっている。
このロボットスナイパーは、従来の人間のスナイパーとは比べ物にならないほどの正確さと速さで目標を捉え、数km先からマシンガンのように連続的に精密射撃をする能力を持つ。また、24時間365日の連続稼働が可能で、人間の疲れや感情の影響を受けずに、的確にターゲットを排除することができる。
ロボットスナイパーの背後にあるのは、AI技術の急速な進化。高解像度カメラと深層学習技術を組み合わせることで、ロボットは微小な動きや熱源、特定の物体や人物の特徴を瞬時に識別し、物陰に隠れた見えない相手さえ狙撃することができるのだ。これにより、従来のスナイパーでは考えられなかったような距離や障害物を超えた射撃が可能となった。
しかし、この技術の登場は、多くの議論を引き起こしている。一部の専門家は、このロボットスナイパー一台の戦力は一国の軍隊に匹敵する可能性があり、戦場の「フェアさ」が失われると指摘。また、人間の判断を介さずに射撃を行うAIによる誤射の可能性や、それに伴う民間人の被害への懸念も強まっている。
人権団体や平和団体からは、無差別な攻撃や冤罪を招く恐れがあるとして、この新技術の使用停止を求める声も上がっている。特に、AIの判断基準や倫理観をどのように設定するのか、その透明性が求められる中、多くの疑問が残されている。
一方、ロボットスナイパーの開発元は、この技術は敵兵の命を奪うことなく行動不能にすることも可能で、人間の犠牲を減少させる役にも立つと主張。現在、国際的なルール作りの議論が進められているが、結論はまだ出ていない。
最先端の技術が戦場に持ち込まれる中、私たちが直面するのは「技術の進化」と「人間の倫理」の狭間の問題だ。今後の動向に目が離せない。